2008年6月6日に第66回デジタルドキュメント研究会で発表した「文書内容の操作に見るマークアップの効果」の発表資料を公開しました:
概要
マークアップを利用するには次の2つのアプローチがある:
- 意味駆動型
マークアップの意味や構造を具体的かつ厳密に設計し、意味に従って処理させる従来のアプローチ。正確、高速、大量、自動的にプログラムで処理することが目的。意味や構造を標準化して、システム間で相互運用を図る。
- 意味与奪型
または「区切りそのもの利用」。マークアップから意味を剥奪した区切りそのものをベースにすることで、対話的な編集の操作性、創造性を高め、深い読みをもたらす。
通常の意味での文書には次の特徴がある:
- 《読み》《書き》の試行錯誤
- 文書を書くときも、読むときも試行錯誤する。試行錯誤を非効率で悪いこととは見なさず、むしろ肯定的。
- マークアップが未定、不定
- 文書を構成する要素の区切りや意味が未定、不定、または隠蔽されている。試行錯誤して書きながら、あるいは読みながら、これらが確定していく。
通常の意味での文書には意味与奪型のアプローチが向いている。