Semantic Operations Support
Semantic webの観点から、Deep Reference Lite、Syndy Chronicle、SayYes!の意義を考えてみる。
これらのソフトウェアは、XHTML文書を処理対象にしながらも、XHTMLにはない特定の具体的な意味を、ユーザーがWeb文書に持たせることを支援する。そして、操作の結果として、操作対象のWeb文書間の関係を示す、新たな具体的情報をWebに発信することも可能だ。
このように、利用者の個々の意味操作(semantic operations)を具体的に支援(support)する個別アプリケーションを揃えると、利用者は「タグ(tag)」、「アノテーション(annotation)」、「semantic web」、「ontology」といった中間的な抽象概念を理解する必要がない。利用者にやりたいことをやってもらうだけで、Web文書に意味を付与してもらえるのである。
このようなアプリケーションそれぞれは、機能的に細かい粒度を持ち、特定の用途に特化し、その品揃えの数は膨大なものとなるだろう。すなわち、このように具体的な個別アプリケーションをその上で動作させることができることこそが、xfy Blog Editorの拡張性の特長である。そして、このことはxfyの特長そのものでもあり、ここにxfy Blog Editorをxfy上に実装する意味がある。
Deep Reference Lite
Deep Reference Liteは、Web上の2つのリストを評価軸として、新たに評価テーブルを構成する。
Deep Reference Liteは、この評価テーブルを含むWeb文書を介して、軸を含む2文書と評価テーブルを含むWeb文書自身との3つの文書が、密接に関係していることを知っている。
ただし現状では、最終的なアウトプットはXHTMLのtable要素とcite要素であり、このような関係情報は失われている。これは、そのような関係を示す標準記述が存在しないためだ。
Syndy Chronicle
Syndy Chronicleは、複数のXHTML文書を年表としてマージし、さらに別の一群のXHTML文書を自分史として、両者を対照表示する。
Syndy Chronicleは、参照するXHTML文書たちがどれも年表であること、それらが自分史であるところの年表を核として、密接に関係していることを知っている。
ただし現状では、これらの情報を保持するOPMLやAtomフォーマットに、これらが年表であるとは書き込まれていない。
SayYes!
SayYes!は、複数のXHTML文書を束ねて1つのプレゼンテーションとし、スライドショーを実行できる。
SayYes!は、それらのXHTML文書が、その順序も含めて、説得力を持つ1つのプレゼンテーションを構成できると知っている。
たとえば、他人が自分のBlog記事を、あるプレゼンテーションの一部に使っているのを見たら、その自分自身の記事について理解が深まるのではないか。
ただし現状では、これらXHTML文書を束ねるAtomフォーマットに、これらがプレゼンテーションであるとは書き込まれていない。
まとめ
これらのソフトウェアは、特定の単機能を果たすものであるがゆえに、特殊なマークアップ操作をしていると、ユーザーに意識させない。
そこで、Web文書間の関係を示す情報をWeb上に増やして、さらなる機械処理の手がかりとするには、このようなソフトウェアを様々に用意することが効果的だと考えられる。
なので、今年は、このようなソフトウェアのバラエティを、具体的に示すことを目標としている。
このページは xfy Blog Editor を利用して作成されました。
- 2007/03/03
- 前半に、まとめの記述をかなり加筆しました。